秋穂 「終わりなら、攻勢に転じるとしましょうか───」

【藤森 秋穂】がゆっくりと両手を広げ、これまでよりも

大きく深呼吸を始めた。

秋穂 「──────♪」

身体に深く浸透していくような美声を耳にした瞬間、不意

に激しい頭痛に襲われる。

頭の中が真っ白になると同時に手足の感覚が消え、身体が

浮遊するような錯覚に陥る。

理恵 「くっ、うぅっ・・・!」

江坂さんが耳を抑えながら俯き、その場に跪いてしまう。

秋穂 「私の【天使の語り】は、耳を塞いだくらいでは防げない

 ───」

主人公 「ぐっ、あぁっ・・・!?」

キンッ・・・と高い音が頭に響くと、身体の芯が縛られる

かのような苦痛が全身を痺れさせた。

理恵 「あぐっ!? うっ、ぐうぅっ・・・!?」